LKenney RODMAKER

「よいフライロッドは、釣りをしているときに存在を忘却できる。
逆にいえば、意識しなければならないロッドとは、たいしたものではない。」
ラリー・ケニー. 2023
COPYRIGHT © 2025- https://lkenneyflyrods.com/
JP EN
現代のフライロッド・メーカーはすばらしいブランクをつくり、うまく完成品に仕立て上げますが、プロセスのあらゆるステップを1人でコントロールし、自ら手を動かす職人が作るロッドは、独自の雰囲気をまといます。
作った者の魂が込められているとまで言いはしませんが、それに近いものは確実にあると私は実感しています。
グリップに使うコルクリングの厳選から、セクションの切り出し、フェルールの制作、ラッピングと幾度にもわたるバーニッシング、インスクリプションまで、職人たちの仕事はロッドの価値を高めてくれます。
熟練の手わざは、まだ世界各地に生き残っていますが、日本ほど職人が多い国はないでしょう。彼らにとって、細部へのこだわりとは、世界とのつながり方なのです。日本製のファイバーグラスのチューブを使ってブランクを切り出し、フライロッドを作るようになってしばらく経ちますが、以前使っていた海外のブランクメーカーとくらべて、その質にはずっと満足しています。 東 知憲さんと原田 克己さんが私のファイバーグラス・プロジェクトに参加したいとおっしゃったとき、私がとても嬉しかったのは、日本に対する強い思いがあるからです。
東さんはフライキャスティングとフライロッドの世界を熟知し、原田さんは作品を通じて美と繊細な仕事を見せてくれます。すでに老境に入り、自らロッドを作ることが難しくなってきた私ですが、彼ら2人はこのプロジェクトに新鮮なエネルギーと職人の技を提供してくれるはずです。
私も、ファイバーグラス・プロジェクトのこれからが楽しみです!
----- ラリー・ケニー

ラリー・ケニーは、生まれも育ちもカリフォルニア。大学院を終了すると教職につきましたが、ハリー・ウィルソンという人に出会って彼の人生は大きく変わりました。1975年、サンフランシスコで彼らが共同創業したのがスコット・パワー・プライ社。これはのちにスコット・フライロッド・カンパニーへと成長し、コロラド州へと移転しました。現代のフライロッドに関して、ラリー・ケニーは生き証人といえる人です。ファイバーグラス素材の発展、グラファイトのブーム、素材の多様化、そしてグラスの再登場まで、ほとんどすべてを目撃してきました。彼は、日本に本拠を移したラリー・ケニー・フライロッド・インターナショナルにおいてもデザイナー兼コンサルタントとして業務を継続します。カリフォルニア州サンラファエル在住。

東 知憲は、幼いころから釣りに取り憑かれてしまった人。ディテールへのこだわりも尋常ではありません。大学では英語と米国文学を学び、卒業後は公務員になりましたが、すぐに相性が合わないことがわかり退職。2004年にはアジア太平洋地域で最初のFFI マスター・フライキャスティング・インストラクター資格を取得して周りを驚かせ、現在も積極的に活動中です。東は、米国の伝説的なフライロッド・メーカーやデザイナーたちと親しくつきあって得られた該博な知識もその強み。バンブーやグラファイトロッドを使って世界中を釣っていますが、近距離を繊細に釣りたいときはグラスロッドがナンバーワンと信じています。ラリー・ケニー・フライロッド・インターナショナルでは、フィールドテスト、マーケティング、コミュニケーション、そのほかの雑用を担当しています。神奈川県横浜市在住。

原田 克己は、「原田竹竿」というブランドを持ち、専業ロッドメーカーとして20年以上活動してきました。さいしょは中国産のトンキンケーンを使っていましたが、やがて自ら収穫する真竹に素材を変更し、3年以上寝かせてから使用しています。真竹は日本と中国に自生する種で、トンキンケーンの繊維ほど硬くないため、ライトラインのロッドに向いています。原田の綿密な手仕事が生み出す、美しく高性能なロッドのファンは、世界各地に存在します。彼は、ラリー・ケニー・フライロッド・インターナショナルにおいても、比類するもののないフライロッドを制作できることに誇りと満足を感じています。大阪府堺市在住。

拒否する 承諾する